掃除機と洗濯乾燥機でブレーカーが落ちる!原因特定から再発防止まで5つの対策を専門家が解説
冬の寒い朝や、湿気の多い梅雨の時期。
洗濯乾燥機を回しながら、さあ掃除機をかけようと思った瞬間、「バチン!」という音とともに家が真っ暗に…。
そんな経験、ありませんか?
家事が中断してしまうイライラはもちろん、「もしかして、どこか壊れた?」「火事になったりしない?」と、一気に不安になりますよね。
ご安心ください。
この記事では、私たち電気工事のプロが、そんなあなたの悩みを解決します。
この記事を最後まで読めば、次のことがスッキリわかります。
- なぜ掃除機や洗濯乾燥機でブレーカーが落ちるのか、3つの根本原因
- いざという時に慌てずに実践できる、安全なブレーカーの復旧手順
- 今後ブレーカーが落ちるのを防ぐために、今日から実践できる5つの再発防止策
この記事は、国家資格を持つ電気工事士で構成された「ピカくま電気工事チーム」が監修しています。
専門家の視点から、分かりやすく、丁寧にご説明しますね。
- なぜブレーカーが落ちる?分電盤が発する3つの危険信号
- 【家全体が停電】アンペアブレーカー:電力の契約容量オーバー
- 【一部の部屋だけ停電】安全ブレーカー:特定回路の容量オーバー
- 【漏電の疑い】漏電ブレーカー:感電・火災につながる最も危険なサイン
- 【落ち着いて対処】ブレーカーが落ちた時の安全な復旧手順
- 手順1:「電気の使いすぎ」の場合(アンペア・安全ブレーカー)
- 手順2:「漏電の疑い」がある場合(漏電ブレーカー)
- 掃除機と洗濯乾燥機は要注意!家事の主力家電の消費電力は?
- 主要家電の消費電力(アンペア)一覧表
- もう落とさない!今日からできる5つの根本的な再発防止策
- 対策1:家電の使い方を工夫する「時間と場所の分散」
- 対策2:家電を賢く選ぶ・手入れする(省エネモデルへの買い替え)
- 対策3:家の電気契約を見直す「契約アンペア変更」
- 対策4:家電の故障や漏電をチェックする
- 対策5:【最終手段】解決しない場合は専門の電気工事業者に相談
- ブレーカーの悩みはプロが即日解決!「ピカくま」が選ばれる理由
- まとめ:ブレーカー落ちは家庭の電力消費を見直すチャンス
- よくある質問
なぜブレーカーが落ちる?分電盤が発する3つの危険信号
「またブレーカーが落ちるかも…」と不安に思う前に、まずは敵を知ることから始めましょう。
ブレーカーが落ちるのは、決して気まぐれではありません。
あれは、お家の電気が「危ないよ!」と教えてくれる、大切な危険信号なんです。
ご自宅の洗面所や玄関にある「分電盤」という箱を開けてみてください。
そこには、あなたの家を守る3種類のブレーカー(番人)がいます。
どのブレーカーが作動したかによって、それぞれ異なる種類の危険信号となります。
【家全体が停電】アンペアブレーカー:電力の契約容量オーバー
「家中の電気が全部消えた!」
この場合、一番左側にある、一番大きなスイッチ(アンペアブレーカー)が落ちている可能性が高いです。
これは、家全体で一度に使える電気の量、つまり電力会社との契約容量(アンペア)をオーバーしてしまったという合図です。
例えるなら、水道の元栓が「水の使いすぎ!」と判断して、家全体の水を止めてしまったような状態ですね。
特に、ドラム式洗濯乾燥機(乾燥モード)と掃除機を使いながら、電子レンジで温め、エアコンの暖房もつけている…なんて状況では、あっという間に契約容量を超えてしまいます。
【一部の部屋だけ停電】安全ブレーカー:特定回路の容量オーバー
「リビングの電気だけ消えたけど、洗面所はついている」
この場合は、ズラリと並んだ小さいスイッチ(安全ブレーカー)のどれかが落ちています。
これは、家全体ではなく、特定の部屋やコンセントのグループ(回路)で電気を使いすぎた、という合図です。
家の中の電気配線は、いくつかのグループに分けられています。この安全ブレーカーは、それぞれのグループごとに設けられているスイッチだと考えてください。
例えば、洗面所のコンセントとリビングのコンセントが同じグループだった場合。
洗濯乾燥機と掃除機を同時に使うと、そのグループの許容量を超えてしまい、担当者である安全ブレーカーが作動するのです。
タコ足配線も、この安全ブレーカーが落ちる大きな原因になります。
【漏電の疑い】漏電ブレーカー:感電・火災につながる最も危険なサイン
「黄色や赤のボタンが飛び出している…」
もし、分電盤の中央あたりにある「テストボタン」付きのブレーカー(漏電ブレーカー)が落ちていたら、要注意。
これは、3つの危険信号の中で最も深刻なサインです。
漏電とは、電気が本来通るべき道から漏れ出してしまっている、非常に危険な状態を指します。
これを放置すると、人が触れた際に感電したり、漏れた電気が原因で火災が発生したりする恐れがあります。
特に、洗濯乾燥機のような水回りで使う家電は、内部の劣化や故障で漏電を起こしやすい傾向があります。
このブレーカーが落ちた場合は、単なる電気の使いすぎではない可能性を考え、慎重に対処する必要があります。
【落ち着いて対処】ブレーカーが落ちた時の安全な復旧手順
ブレーカーが落ちて真っ暗になっても、慌てないでください。
まずは落ち着いて、安全に復旧作業を行いましょう。
大前提として、絶対に濡れた手で分電盤やコンセントに触れないでください。
また、もし焦げたような臭いがする場合は、すぐに作業を中止し、専門の業者に連絡してくださいね。
手順1:「電気の使いすぎ」の場合(アンペア・安全ブレーカー)
アンペアブレーカー(家全体)か、安全ブレーカー(一部屋だけ)が落ちた場合は、復旧は比較的シンプルです。
- 原因となった家電のプラグを抜く
ブレーカーが落ちる直前に使っていた、掃除機や洗濯乾燥機、電子レンジなどの電源プラグをコンセントから抜きます。 - ブレーカーのスイッチを「入」にする
分電盤に行き、落ちているブレーカーのスイッチを「切」側から「入」側へ、カチッと音がするまで上げます。
この手順だけで電気は復旧するはずです。もしスイッチを上げてもすぐにまた落ちてしまう場合は、まだ電気の使用量が許容量を超えています。
他の家電のプラグもいくつか抜いてから、再度試してみてください。
手順2:「漏電の疑い」がある場合(漏電ブレーカー)
漏電ブレーカーが落ちた場合は、漏電している危険な回路を特定するために、少し手順が多くなります。
- 全ての安全ブレーカーを「切」にする
まず、分電盤にある小さいスイッチ(安全ブレーカー)を、全て「切」側に下げます。 - 漏電ブレーカーを「入」にする
次に、中央にある漏電ブレーカーのスイッチを「入」側に上げます。 - 安全ブレーカーを一つずつ「入」にしていく
ここからが原因特定のステップです。先ほど「切」にした安全ブレーカーを、一つずつ、ゆっくりと「入」にしていきます。 - 原因の回路を特定する
いずれかの安全ブレーカーを「入」にした瞬間、再び漏電ブレーカーが「バン!」と落ちたら、その回路が漏電している可能性大です。 - 危険な回路以外を復旧させる
漏電が疑われる安全ブレーカーは「切」のままにしておき、他の安全ブレーカーを全て「入」に戻します。これで、安全な回路の電気だけは使えるようになります。
漏電している回路が特定できたら、その回路のコンセントは絶対に使用せず、速やかに私たちのような専門の電気工事業者に点検を依頼してください。
掃除機と洗濯乾燥機は要注意!家事の主力家電の消費電力は?
なぜ、掃除機と洗濯乾燥機の組み合わせは、こんなにもブレーカーを落としやすいのでしょうか?
その答えは、これらの家電が消費する「電力」の大きさにあります。
家電の消費電力は「W(ワット)」で表され、これが大きいほどたくさんの電気を使います。
そして、実際に電気回路に流れる電気の量は「A(アンペア)」で計算します。
簡単な計算式は以下の通りです。
アンペア(A)=消費電力(W)÷ 100(V) ※日本の家庭用電圧は通常100Vです。
掃除機も、特にドラム式洗濯乾燥機の乾燥機能も、家の中ではトップクラスの電力食いなのです。
主要家電の消費電力(アンペア)一覧表
具体的にどれくらいの電気を使っているのか、表で見てみましょう。
ご家庭の電気契約が30Aの場合、家全体で同時に使えるのは合計30Aまで。
安全ブレーカーは20Aが一般的なので、一つの回路で使えるのは合計20Aまでです。
| 家電 | 消費電力(W) | 使用アンペア(A) |
|---|---|---|
| ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時) | 1,200〜1,400W | 約12〜14A |
| 掃除機(強運転時) | 1,000〜1,200W | 約10〜12A |
| 電子レンジ | 1,300W | 約13A |
| エアコン(暖房のつけ始め) | 1,500W | 約15A |
| ヘアドライヤー | 1,200W | 約12A |
| IHクッキングヒーター(1口) | 1,400W | 約14A |
この表を見ると、一目瞭然ですね。
たとえば、同じ回路(上限20A)で洗濯乾燥機(13A)と掃除機(11A)を同時に使うと、合計が24Aになってしまいます。これでは許容量を超えてしまうため、安全ブレーカーが落ちてしまうのです。
もう落とさない!今日からできる5つの根本的な再発防止策
原因と対処法がわかったら、次は「もう二度とブレーカーを落とさない」ための根本的な対策です。
プロの視点から、今日からすぐにできることから、長期的な解決策まで5つご紹介します。
対策1:家電の使い方を工夫する「時間と場所の分散」
一番手軽で、今日からすぐに始められるのがこの方法です。
- 時間分散:消費電力の大きい家電を同時に使わないように、時間をずらします。「洗濯乾燥機の乾燥が終わってから掃除機をかける」「電子レンジを使っている間はドライヤーを止める」など、少し意識するだけで効果は絶大です。
- 場所分散:消費電力の大きい家電を、別々の回路のコンセントに挿して使います。分電盤のフタの裏に、どのスイッチがどの部屋に対応しているか書かれていることが多いです。洗面所とキッチン、リビングなど、違う安全ブレーカーにつながるコンセントを使い分けましょう。
そして、タコ足配線は絶対にやめましょう。
これは特定の回路に負荷を集中させるだけでなく、発熱して火災の原因にもなり、非常に危険です。
対策2:家電を賢く選ぶ・手入れする(省エネモデルへの買い替え)
もし家電の買い替えを検討しているなら、これは大きなチャンスです。
特にドラム式洗濯乾燥機の場合、消費電力の高い「ヒーター式」から効率の良い「ヒートポンプ式」へ買い替えると、乾燥時の消費電力をおよそ半分まで減らせるケースもあります。
初期費用はかかりますが、毎月の電気代も安くなり、ブレーカーが落ちるリスクも格段に減るので、長い目で見れば非常におすすめです。
また、洗濯乾燥機のフィルターをこまめに掃除するなど、家電の定期的なメンテナンスも重要です。
ホコリが詰まっていると乾燥効率が落ち、余計な電力を消費してしまいますからね。
対策3:家の電気契約を見直す「契約アンペア変更」
「家族が増えた」「オール電化にした」など、ライフスタイルの変化によって、そもそも家の電気の基本容量が足りなくなっているケースもあります。
頻繁にアンペアブレーカー(家全体)が落ちる場合は、電力会社との契約アンペア数を見直すのも一つの手です。
自宅の契約アンペア数の確認方法と変更手順
- 確認方法:分電盤の一番左にあるアンペアブレーカーを見てください。「30A」「40A」といった数字が書かれており、色分けされていることも多いです(例:30Aは緑、40Aは灰色など)。電力会社の検針票(電気ご使用量のお知らせ)でも確認できます。
- 変更手順:契約している電力会社に連絡すればOKです。多くの場合、簡単な工事で変更できます。
ただし、契約アンペア数を上げると、電気の基本料金も上がります。賃貸住宅の場合は、必ず事前に大家さんや管理会社の許可を得てから手続きを行いましょう。
対策4:家電の故障や漏電をチェックする
「電気は使いすぎていないはずなのに、特定の家電を使うと必ずブレーカーが落ちる…」
そんな時は、家電自体の故障や漏電を疑いましょう。
以下のサインがないか、確認してみてください。
- 電源コードが傷ついたり、熱くなったりしている
- プラグの根元がグラグラしたり、変色したりしている
- 家電から焦げたような臭いがする
- 洗濯機などの金属部分に触れるとピリピリする
これらの症状がある場合は、家電が危険な状態です。すぐに使用を中止し、修理を依頼するか、買い替えを検討してください。
また、水回りの家電には、感電防止のためにアース線を必ず接続するようにしましょう。
対策5:【最終手段】解決しない場合は専門の電気工事業者に相談
ここまでの対策を試しても解決しない。
漏電の原因が特定できない。
分電盤自体が古くて心配…。
そんな時は、決して無理をせず、私たちのような専門の電気工事業者に相談してください。
原因が、壁の中の配線の劣化や、分電盤自体の故障という可能性もあります。
これらはご家庭では絶対に調査・修理できない領域です。
自己判断で対処しようとすると、感電や火災といった重大な事故につながりかねません。
プロによる正確な診断と修理が、最も安全で確実な解決策です。
ブレーカーの悩みはプロが即日解決!「ピカくま」が選ばれる理由
「専門業者に頼みたいけど、どこがいいのか分からない…」
そんな時は、ぜひ私たち「ピカくま」にご相談ください!

ブレーカーのトラブルから、コンセントの増設、漏電調査まで、電気の困りごとなら何でもお任せください。
- 国家資格を持つプロが対応
経験豊富な「電気工事士」の資格を持つスタッフが、安全第一で確実な作業をお約束します。 - 夜間・休日もOK!最短即日対応
電気のトラブルは待ってくれません。365日、お客様の「困った!」に迅速に駆けつけます。 - 明朗会計で安心
作業前の無料お見積もりで料金を確定。後から追加料金を請求することは一切ありません。 - 豊富な実績と信頼
関東・東海・関西エリアで数多くの電気トラブルを解決してきた実績があります。
しつこいブレーカー落ちの悩み、漏電の不安から、あなたを解放します。
お電話、LINE、お問い合わせフォームから、どうぞお気軽にご連絡ください。
まとめ:ブレーカー落ちは家庭の電力消費を見直すチャンス
いかがでしたでしょうか。
掃除機や洗濯乾燥機でブレーカーが落ちる原因と対策について、ご理解いただけたかと思います。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいします。
- ブレーカーが落ちる原因は「家全体の使いすぎ」「特定回路の使いすぎ」「漏電」の3つ。どのブレーカーが落ちたかで見極めが重要です。
- 復旧作業は安全第一で。特に漏電ブレーカーが落ちた場合は、慎重に原因を特定しましょう。
- 再発防止には「家電の使い方」「電気の契約」「家電選びと手入れ」を見直すのが効果的です。
- それでも解決しない場合は、火災や感電のリスクを避けるため、迷わずプロの電気工事業者に相談してください。
突然のブレーカー落ちは、本当に焦りますよね。
でも、それは「今の電気の使い方、ちょっと見直してみない?」という、お家からの大切なメッセージでもあるのです。
この機会に、ご家庭の電気の使い方を見直し、より安全で快適な毎日を手に入れてくださいね。
もし少しでも不安な点や分からないことがあれば、いつでも私たち「ピカくま」までご相談ください。あなたのお力になります。
よくある質問
特定のメーカー(日立、パナソニックなど)だと落ちやすいですか?
いいえ、ブレーカーが落ちる原因は、特定のメーカーにあるわけではありません。
重要なのは、その製品の**「消費電力の大きさ」と「製品の古さ(経年劣化)」**です。
どのメーカーの製品でも、消費電力の大きいモデルや、長年使用して内部の絶縁性能が落ちてきた家電は、ブレーカーが落ちる原因になりやすくなります。
ブレーカーが頻繁に落ちると家電は壊れますか?
ブレーカーが落ちること自体が、直接家電を壊すことは稀です。
しかし、突然電力が遮断されることは、家電内部の電子回路にとって良いことではありません。
それ以上に問題なのは、ブレーカーが落ちる根本原因(過負荷や漏電)を放置することです。
過酷な状況で家電を使い続けることは、確実に寿命を縮めますし、何より火災などの重大な事故につながるリスクを高めてしまいます。
賃貸マンションでも契約アンペアは変更できますか?
変更できる場合が多いですが、必ず事前に大家さんや管理会社に連絡し、許可を得る必要があります。
無断で工事を行うと、後でトラブルになる可能性があります。
また、建物全体の電気容量に余裕がなく、変更が認められないケースもありますので、まずは相談してみましょう。




