ブレーカーが上がらない!家電が原因?5分でわかる安全な対処法と復旧手順
電子レンジやエアコンを使おうとした瞬間、突然家中の電気が消えて真っ暗に…。「ブレーカーが上がらない」「スイッチを上げてもすぐ落ちる」といった状況に、どうしていいか分からず困っていませんか?
「家電が壊れた?」「このまま放置したら火事にならない?」「分電盤を触っても感電しない?」など、次々と不安が押し寄せてくるのは当然のことです。
ご安心ください。この記事は、国家資格を持つ電気工事のプロチーム「ピカくま」が、そんなあなたの不安を5分で解消するために執筆しました。
▼この記事を読めばわかること
- 家電が原因でブレーカーが上がらない本当の理由
- 火災や感電を防ぐための安全な復旧手順
- これ以上は危険!プロに相談すべきタイミング
正しい知識があれば、多くの場合はご自身で原因を特定し、安全に対処することができます。慌てずに、この記事を読み進めてください。
- まずは落ち着いて!そのブレーカー、上げる前に3つの安全チェック
- 1. 周辺一帯が停電していないか?
- 2. 分電盤から異音・異臭・発熱はないか?
- 3. どのブレーカーが落ちているか確認する
- なぜ?ブレーカーが上がらない・すぐ落ちる3つの主な原因と見分け方
- 【原因①】電気の使いすぎ(過電流)
- 【原因②】漏電・ショート(火災・感電の危険あり)
- 【原因③】ブレーカー本体の故障・寿命
- 【状況別に完全ガイド】自分でできる!安全なブレーカー復旧手順
- ケース1:家全体の電気が消えた場合(アンペア/漏電ブレーカー)
- ケース2:特定の部屋だけ電気が消えた場合(安全ブレーカー)
- 原因はこれかも?ブレーカーを落としやすい要注意家電リスト
- これ以上は危険!プロに相談すべきタイミングと連絡先
- すぐに専門家を呼ぶべき5つのサイン
- どこに電話?状況別の正しい相談窓口
- 修理費用は?安心できる業者の選び方と今後の予防策
- ブレーカー修理・交換の料金相場
- 【ピカくまが解説】失敗しない!優良業者の選び方と予防策
- まとめ:ブレーカーが上がらない時は、原因を見極めて安全に対処しましょう
まずは落ち着いて!そのブレーカー、上げる前に3つの安全チェック
突然の停電で焦る気持ちは分かりますが、闇雲にブレーカーを操作するのは大変危険です。感電や火災といった最悪の事態を防ぐため、まずは以下の3つのポイントを安全に確認しましょう。
1. 周辺一帯が停電していないか?
窓の外を見て、ご近所の家の明かりや街灯がついているか確認してください。もし周辺一帯が真っ暗なら、お住まいの地域で停電が発生している可能性があります。この場合は、電力会社の復旧を待つしかありません。
2. 分電盤から異音・異臭・発熱はないか?
分電盤(ブレーカーが集まっている箱)に近づき、「ジー」という異音がしないか、焦げ臭い匂いがしないか、カバーに触れてみて異常に熱くなっていないかを確認します。もし何か一つでも異常を感じたら、それは非常に危険なサインです。
3. どのブレーカーが落ちているか確認する
分電盤のカバーを開け、どのブレーカーのスイッチが「切(OFF)」に下がっているかを目で見て確認します。分電盤には通常、3種類のブレーカーがあります。
- アンペアブレーカー:一番左にある一番大きなスイッチ。家全体の電気契約量を管理。
- 漏電ブレーカー:中央にある「テストボタン」付きのスイッチ。漏電を検知する。
- 安全ブレーカー:右側に複数並んだ小さなスイッチ。各部屋や回路の電気を管理。
どのブレーカーが落ちているかで、原因をある程度推測できます。
【警告】絶対に守ってください
- 濡れた手で絶対に触らないでください。感電の危険性が非常に高いです。
- 焦げ臭い匂いや煙、異音がある場合は絶対に触らず、すぐに専門業者に連絡してください。火災につながる恐れがあります。
なぜ?ブレーカーが上がらない・すぐ落ちる3つの主な原因と見分け方
安全確認が終わったら、次に原因を探っていきましょう。家電使用時にブレーカーが上がらない、または上げてもすぐ落ちる原因は、主に以下の3つが考えられます。
【原因①】電気の使いすぎ(過電流)
最も多い原因が、契約している電気の容量を超えて一度にたくさんの家電を使ったことによる「電気の使いすぎ(過電流)」です。
これは、家全体の電気使用量が契約容量を超えた場合はアンペアブレーカーが、特定の部屋の許容量を超えた場合は安全ブレーカーが作動するケースです。
【同時使用の代表例】
- 電子レンジ(約13A)
- エアコン(冷房起動時 約15A)
- ドライヤー(約12A)
例えば30A契約のご家庭でこれらを同時に使うと、合計40Aとなり契約容量をオーバーするため、アンペアブレーカーが落ちます。これは家を守るための正常な動作であり、危険性は低いケースです。
【原因②】漏電・ショート(火災・感電の危険あり)
漏電ブレーカーが上がらない場合、これは最も注意が必要なケースです。どこかの電気回路や家電製品から電気が漏れている(漏電)か、回路がショートしている可能性を示しています。
漏電は、感電事故や火災の原因となる非常に危険な状態です。
- 水回りの家電(洗濯機、食洗機、ウォシュレット)の故障や劣化
- 延長コードや電源タップの内部断線や焦げ
- タコ足配線による過負荷
- ネズミなどの害獣が配線をかじる
これらの原因で漏電ブレーカーが作動している場合、原因を特定せずに無理にブレーカーを上げようとするのは絶対にやめてください。
【原因③】ブレーカー本体の故障・寿命
電気の使いすぎでもなく、漏電の形跡もないのにブレーカーが上がらない場合、ブレーカー本体が故障している可能性があります。
ブレーカーの寿命は約10〜15年と言われており、経年劣化によって内部の部品が摩耗し、正常に作動しなくなることがあります。
- スイッチが固くて上がらない、またはスカスカで手応えがない
- 何も使っていないのに頻繁に落ちる
- 本体が変色していたり、熱を持っていたりする
このような症状がある場合、ブレーカーの交換が必要です。修理・交換費用の目安は15,000円〜40,000円程度です。
【状況別に完全ガイド】自分でできる!安全なブレーカー復旧手順
原因の見当がついたら、次はいよいよ復旧作業です。状況別に、ご自身で安全にできる復旧・確認手順を解説します。
ケース1:家全体の電気が消えた場合(アンペア/漏電ブレーカー)
家全体の電気が使えない場合は、「アンペアブレーカー」か「漏電ブレーカー」が落ちています。それぞれの原因に合わせた手順で進めてください。
電気の使いすぎが原因の復旧手順
アンペアブレーカーが落ちている場合は、この手順を試してください。
- 使用していた家電をすべてOFFに
電子レンジやドライヤー、エアコンなど、電力消費の大きい家電の電源プラグをコンセントから抜きます。 - アンペアブレーカーを「入」に
分電盤の一番左にある大きなアンペアブレーカーのスイッチを「入(ON)」に上げます。 - 家電を一つずつONにして確認
電気が復旧したら、コンセントを抜いた家電を一つずつ、時間をおいて使い始めます。これで問題なければ完了です。
漏電が疑われる場合の安全な確認手順
漏電ブレーカーが落ちている、またはスイッチを上げてもすぐに落ちてしまう場合は、以下の手順でどの回路に漏電が発生しているかを特定できます。
- すべての安全ブレーカーを「切」に
まず、分電盤にあるすべてのブレーカー(アンペア、漏電、安全)を「切(OFF)」にします。 - アンペア、漏電ブレーカーを「入」に
次に「アンペアブレーカー」、続いて「漏電ブレーカー」のスイッチを「入(ON)」にします。 - 安全ブレーカーを一つずつ「入」に
右側に並んでいる安全ブレーカーのスイッチを、1つずつゆっくりと「入(ON)」にしていきます。 - 落ちた箇所が漏電回路
ある安全ブレーカーを上げた瞬間に漏電ブレーカーが再び落ちたら、その安全ブレーカーが担当している回路(部屋)で漏電が発生しています。 - 家電を抜いて再確認、改善しなければ業者へ
漏電が特定された回路の安全ブレーカーを「切」にしたまま、他の安全ブレーカーをすべて「入」にすれば、漏電箇所以外の電気は復旧できます。その後、漏電している部屋の家電のプラグをすべて抜き、再度その部屋の安全ブレーカーを上げてみてください。それでも漏電ブレーカーが落ちる場合は、家電ではなく配線自体の問題ですので、すぐに専門業者に連絡してください。
ケース2:特定の部屋だけ電気が消えた場合(安全ブレーカー)
キッチンだけ、リビングだけなど、特定の場所の電気が消えた場合は、その部屋を担当する安全ブレーカーが落ちています。
この場合、その部屋で電気を使いすぎたこと(タコ足配線など)が主な原因です。まずはその部屋で使っている家電のプラグを数本抜き、安全ブレーカーを「入」に戻しましょう。
原因はこれかも?ブレーカーを落としやすい要注意家電リスト
以下の家電は特に消費電力が大きく、ブレーカーを落とす原因になりやすいものです。同時に使わないよう注意しましょう。
| 家電 | 消費電力(W)の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電子レンジ | 1,300W | 他の調理家電との同時使用は特に注意 |
| エアコン | 1,200〜1,500W | 起動時に特に大きな電力を消費する |
| ドライヤー | 1,200W | 洗面所で他の家電と併用しない |
| 洗濯乾燥機 | 1,400W | 湿気が多い場所なので漏電にも注意 |
| IHクッキングヒーター | 2,000W以上 | 専用の回路での使用が推奨される |
これ以上は危険!プロに相談すべきタイミングと連絡先
ご自身でできる対処にも限界があります。次のような症状があらわれた場合は、無理をせず速やかにプロの電気工事業者へ連絡しましょう。
すぐに専門家を呼ぶべき5つのサイン
- 手順通りに試しても、ブレーカーを上げても即落ちる
- 分電盤やコンセントから焦げ臭い匂いがする
- 「ジー」「バチッ」などの異音がする
- ブレーカー本体や周辺の壁が異常に熱い
- 漏電箇所を特定したが、家電をすべて抜いても復旧しない
これらの症状は、火災や大きな事故につながる危険な兆候です。
どこに電話?状況別の正しい相談窓口
連絡先に迷った場合は、以下を参考にしてください。
- 賃貸(アパート・マンション)の場合:
まずは管理会社や大家さんに連絡してください。提携の電気工事業者が対応してくれる場合があります。 - 持ち家(戸建て)の場合:
お近くの信頼できる電気工事業者に連絡します。国家資格である「第二種電気工事士」が在籍している業者を選びましょう。 - マンションの共用部が停電している場合:
管理組合や管理人室に連絡してください。
修理費用は?安心できる業者の選び方と今後の予防策
万が一、修理や交換が必要になった場合の費用や、信頼できる業者の選び方を知っておくと安心です。
ブレーカー修理・交換の料金相場
費用は作業内容や状況によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 作業内容 | 費用目安(税抜) |
|---|---|
| 漏電調査・原因特定 | 5,000円 〜 15,000円 |
| ブレーカー交換(1箇所) | 15,000円 〜 40,000円 |
| 分電盤全体の交換 | 30,000円 〜 70,000円 |
| 夜間・休日の緊急対応料金 | +5,000円 〜 10,000円 |
【ピカくまが解説】失敗しない!優良業者の選び方と予防策
悪質な業者に依頼しないためにも、以下のポイントをチェックしましょう。
- 国家資格(電気工事士)を持つスタッフが在籍しているか
- 作業前に必ず原因を調査し、明確な見積もりを提示してくれるか
- 24時間365日、緊急のトラブルに対応してくれるか
【今後のための予防策】
- 消費電力の大きな家電を同時に使わないようにする。
- 契約アンペア数が生活スタイルに合っているか見直す。
- 分電盤やコンセント周りのホコリを定期的に掃除する。
- 10年以上経過している場合は、一度専門家による点検を検討する。
まとめ:ブレーカーが上がらない時は、原因を見極めて安全に対処しましょう
家電が原因でブレーカーが上がらない・すぐ落ちるトラブルは、誰にでも起こりうることです。しかし、大切なのはパニックにならず、正しい知識で安全に対処することです。
「焦らず原因を確認」→「安全な手順で復旧」→「危険ならすぐに相談」
この流れを覚えておけば、万が一の時も安心です。
もし、ご自身での対処に不安を感じたり、原因が特定できなかったりした場合は、決して無理をしないでください。私たち「ピカくま」は、国家資格を持つ電気のプロフェッショナルが24時間365日、最短即日であなたの元へ駆けつけます。どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。




